約二年ぶりの新作

ほいじゃあ、久しぶりのあとがきじゃけ、こんなんじゃけどええわいね。いやね、今回の作品は広島弁(もはや尾道弁)で書いとるけえあとがきもそれで通してみようかと思うとるんよ。ゴミンネ(ココだけいつも通り)

はてさて今回の話じゃけど、ちょっとね静かな系統のお話を書こうと思ったんよね。身も蓋もなく言ってしもうたら背伸びしたかった言うのが本音かね。ワシの場合、台詞至上主義に陥るというか台詞によっかかる癖があるけえ、それを矯正したかったいうのもあるんよ。……もっとも、実際出来たもんは相変わらず台詞によっかかっとる話しじゃけどね。

今回の縛りは、@表層での変化を起こさせない。 A台詞の極端に少ないキャラを作る。 の二つじゃったんじゃけど、@はねちょっと失敗した。ホンマは、アキの主義主張は変えんつもりやったんよ。相変わらず、アキはばあさんの面倒見ながら家と仕事往復して、敬介は仕事見つけんとフリーターして、ばあさんはニコニコ笑ってる……これが、一応最初のプロットでの終わりじゃったんじゃけど、そうもいかんかった。

Aはそこそこ出来たと思う。ミツカは基本的に「あ…」と「ん…」しか喋らんけえね。ホンマは、終盤の長ゼリも幾分か行動で示せればよかったんじゃろうけど、ある程度分かりやすい方向で書こうとするとこうなったんよ。

ある人に、「尾道さんの作品にはドラマがない」って言われたんじゃけど、今回は極力ドラマのない方向で書きたかったんよね。ホンマ、いいわけ臭いけど。なんて言うか、生活感のあるモノを書きたかったんよ。それもね、最近ネット台本読みようったら生活感の無いものがあまりにも多くてね。もっと言えば、分かりやすいドラマをおこしすぎとると思うんよね。……と書いて、ワシのがどうじゃろうって考えたら、案外とこの作品も分かりやすいんかも知れんなぁと思ってみたりするんじゃけどどうじゃろ。

ま、ええわ。

んでね、今回よう考えてみたら初めて男役よりも女役の方が多いんよね。「うそんせ」は女二人じゃけえ、何とも言えんけど。そういや、書きくさしの高校演劇部モノも男1女2じゃったしなぁ。なんか、高校演劇見出してから女役者の方を良く見るようになったけえ、それも影響しとるんかもしれんね。

その登場人物なんじゃけど、名前の決め方は今回も適当。実は友人の名前をちょっといじくって敬介という人物が出来たんよね。ちなみにアキは、友人の初恋の人の名前からかりたんよ。ワオ。凝っとるんか凝ってないんか分からんけど、そんな感じよ。他の人物は適当。ただ、多香子については音を意識してみた。田舎くさくてなおかつエネルギッシュな感じの名前にしたかったんよね。

……

ほいでね、ウラ設定とかいつものぶっちゃけとか書くの迷ったんやけど、やっぱ書かん事にするわ。

ヤヴァイ。この文章読み返してみるとグダグダもええとこじゃね。グダグダついでにタイトルにも触れとくけど、これは二つのこだわりがあっての事なんよね。一つは長いタイトル、もう一つが「猫」について。よう考えたら、最近長めのタイトル付けとらんかったと思ってね。それで、出来上がったのがこれっちゅう訳よ。なんじゃろうね、長めのタイトル言うのも、本編がダラダラしたペースで進むけえ、その雰囲気に合わせようかって思ったのもあるんかもね。(他人事)

そんなこんなで「猫の目に映る、あたしと馬鹿とクソみたいな生活」……ココにお届けする事ができたわけじゃけど。楽しんでもらえたらええの。
まずもって上演依頼はこんと思うけど、まあ読んでもらえたらええの。

ごめん、この口調疲れるわ。
それでは、また次作のあとがきでお会いできたら幸いです。……はてさて、いつになるのやら。


2007/7/21




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